事業概要
「つくるヒト」と「たべるヒト・かうヒト・くらすヒト」がつながる!をテーマに、日曜日の朝は、「魚津の朝市に行ったらいいよと地元民が自慢したくなる朝市」を目指して、今までにない大規模のスケールで、第一回魚津しんきろうロード朝市を開催しました。
富山湾を一望できる海岸線沿いのロケーションであるしんきろうロード(約650m)を歩行者天国にし、100店舗以上の出店者を集め、集客の中心を観光客だけではなく、まずは地域に焦点を当て、当日は地元市民を中心にカップルや家族連れ、三世代でお散歩がてらに、など、約一万人を超える来場者がありました。
富山県東部に位置する魚津市。地元商圏の中心地でもある港町で、「魚津らしい」地元の方が来場しやすい雰囲気を心がけました。
「なんでもありのカオスな朝市」を謳い、パン屋やカレー、焼き鳥、釜めし、みたらし団子などの飲食店はもちろんのこと、ベビー用品や染物屋さんなどのお洋服を販売するお店も多数出店しました。 珍しい出店者としては、絵画や多肉植物の販売、アロマのリンパマッサージ、ヨガ体験、世界のクワガタ・カブトムシの販売、中古車販売もありました。
予想をはるかに上回る来場者と経済効果があり、魚津YEGらしい地元感があふれながらも、コロナ禍以降沈んでいた地元経済の発展に希望を感じさせる事業となりました。
また、「しんきろうロード」の名称を使用することで、地元市民からは開催場所が一目瞭然であること、魚津市が長年観光資源にしている唯一無二の「蜃気楼が見える街」のPRを兼ねることとし、事業名を設定しました。
新規性、創意工夫、地域課題解決、地域の特徴や経済特性などの活用
魚津市では、29年続いている「魚津の朝市」があり、地元漁業関係者を中心に運営をしていましたが、出店店舗のマンネリ化や来場者の高年齢化など運営の継続も危ぶまれる事態になっていました。この既存朝市の中での「余白」になっている部分は何かをYEG内で考察し、そこに梃子をいれることができれば、更なる発展の可能性があるのではないか、既存朝一と連動する形で、集客方法や新しい形の出店形態を模索しながら事業を企画しました。
企画当初、既存の朝市の関係者からは「そんなことをしてもお客さんはこない」「今までの朝市に迷惑がかかる」など、様々な不安な声がありましたが、事業終了後は、「今後一緒にやっていける道を探りたい」「地元朝市を継続するためにも青年部の力を貸してほしい」といった、前向きに捉えていただけたご意見を沢山頂戴し、地域課題を解決していく第一歩になりました。
具体的な出店形式の工夫として、搬入車の前でテントを設置しての出店という形態を取りました。企画した委員長もイベントなどでの出店経験があり、「2時間前までに搬入し、イベント開催1時間前には搬入車は指定場所に出しておくこと」などという形式が一般的であり、出店側からすると、これが結構な負担になります。
そこで、右図のように搬入車の前でテント出店をすることで、搬入してすぐ出店準備ができ在庫も車の中に置くことが可能となり、終了後の片付けも簡単になりました。(右参考画像)
出店者からはとても好評で、このようなイベントは初めてだった、やりやすい(出店しやすい)、準備・片付けがとても楽だったなど、喜びの声をたくさんいただきました。
県内のイベント企画者や自治体の運営者からお電話をいただいて、出店形式や運営の方法を参考にしたいとお話しする機会も事業終了後にいただきました。
また、初めて出店される方にも売れるか売れないかという不安要素を取り除く、チラシを配るだけでも宣伝広告と考えれば安いと感じていただけるよう出店料も2,000円と安価に設定。出店に際しての保健所とのやりとりの部分も相談に乗ることでハードルを限りなく低くし、たくさんの出店者を募れるようにしました。
魚津市は居酒屋や飲み屋街が多い地域があり、前日に深夜まで営業しているお店の方などもおられますが、営業終わりにそのまま来場される方もおられました。出店者の中には、日曜日は休みにも関わらず出店していただいた方もおられて、地元飲食店ならではのメニューや商品も多くありました。
経済効果
飲食店舗では3時間の朝市開催時間で30万円を売り上げるお店もあり、中には中古車を成約された出店者もあり、ほとんどのお店が完売状態になりました。全体の売上をアンケート取った結果、当事業としては約850万円の売上がありました。
朝市終了が午前9時半とまだ早い時間なため、日曜の休日をそれから更に楽しめるという時間にしたことで、県西部や遠方から来られるお客さんには魚津市内の様々なスポットに出かけていただきました。
地域におけるYEGブランディング力
魚津YEGの今年度会長である宮本会長の「地域にYEGインパクトを出し、YEGが企画し今後も続いていく事業を創りたい」という想いから今回の事業を企画するに至りました。今後の継続に向けて、官民連携した新しい組織体を企画しており、魚津しんきろうロード朝市が北陸でも有数の朝市に成長することを期待しています。
また、新規イベントにおける一番難しいところは、実績がないことで出店店舗に出店をしていただきにくいところだったのですが、魚津商工会議所青年部が一丸となって出店店舗集めに奔走した結果、目標であった100店舗の出店を達成することができました。また、メンバーからも多く出店していただき、大いに賑わいました。
YEGでのつながりを活かし、今回能登半島地震で被災した洋菓子屋さんや、輪島塗の箸屋さんなどもお招きし、富山県連でもチラシやキャラバンなどのPRを通して出店していただいたメンバーもおられ、YEGのつながりを強く感じました。
今後の展望
~魚津しんきろうロード朝市によって生まれるもの~
1.新規起業の促進
- 趣味を形に、また、いつかお店を持ってみたいなどの潜在的な起業者を、まずこの朝市で出店していただき、顧客づくりを行ってもらい、魚津市内のテナントで起業してもらう足掛かりにする。
- 魚津市の商店街での空き店舗の誘致を中心に起業サポートを推進する。
- 当日の朝市においても、本部テントに起業サポート案内やYEG中心の魚津市内のリフォーム業者を紹介するブースも設け、朝市からの起業サポートにつなげる。
2.観光、駅前飲食店街への波及効果
- 観光客が朝市に行くには前泊する必要があるため、市内ホテルや周辺の飲食店が潤う。
- 田舎の飲食店は、地元客に頼っていることが多く、日曜日や月曜日に集客が見込めない。日曜日休みのお店が、土曜日までは仕事を通常通り行い、日曜日にも朝市に出店することで、収入面でも一日多く得ることが可能、朝市を通じてお店のPRもできるため、朝市出店の効果が高い。
3.新商品開発の促進
- 企業において、新業態や新商品を出し、市場の開拓をしていく上で、朝市に来る一般顧客の意見を直接聞くことが出来る。飲食物販に限らず、BtoBの企業においても最終的な顧客が一般市民であれば、さまざまな情報収集に利用することが出来る。
4.魚津市や富山県全体の発信ツール
- 今まで首都圏や立地の良いところに発信のために赴いていたが、魚津での巨大朝市の集客力がつけば、地元の特産物でいろいろなことを発信でき、富山県全体の集客につなげることも可能になる。
魚津しんきろうロード朝市を今後大いに盛り上げ、魚津市から富山県を明るくします!!
単会情報
- 単会名
- 魚津YEG
- 主催者名
- 魚津商工会議所青年部
- 事業ジャンル
- 地域貢献
- 事業名称
- 魚津しんきろうロード朝市
- 開催日時
- 令和6年5月26日(日)
- 開催場所
魚津市村木堤防割(魚津しんきろうロード)
- 詳細URL
- https://uozuyeg.com/%E6%9C%AA%E5%88%86%E9%A1%9E/%E9%AD%9A%E6%B4%A5%E3%81%97%E3%82%93%E3%81%8D%E3%82%8D%E3%81%86%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E6%9C%9D%E5%B8%82-2/
- 単会会員数
(事業開催時) - 70人
- 事業参加会員数
- 45人
- 参加率
- 64%