[盛岡]第5回 盛岡まち歩き事業「もりおか歩(ホ)っとさんぽ ~生まれ変わった 肴町・紺屋町編~」

事業概要

本事業は、地元、盛岡市内を小区画に絞って、歩きながら見て回る、街歩き事業である。参加対象者は、盛岡YEGメンバー、およびその家族、さらに盛岡市役所の職員の方で、当日は担当委員会メンバーがガイド役となり、参加者は委員会が作成したマップを見たり、ガイドの説明を聞いたりしながら、歩いて街を散策する。本年は、藩政時代に商人の街として経済中心エリアでもあり、古い町並みや趣のある伝統的な建築が今もなお残る肴町と紺屋町を、2時間かけて歩いた。

事業目的

この事業は、2020年から始まり、本年で5回目の開催になる。事業実施の発端は、単会で政策提言に向けた動きを模索している中で、政策提言の前に、自分たちが街のことをよくわかっていない、まずは自分たちの目で見て、歩いて雰囲気を感じ、街の人の声を聞くところから始めよう、ということでスタートした。

そのような経緯から、事業の当初の目的としては、自分たちの地域のリアルを見て歩きながら、その魅力と課題を「知る」ことと言えるが、継続して開催していくことで、下記にあげる事業の特徴が加わっていった。

本事業の特徴

  1. より深く「生きた街」を知る事業
    • 本事業は、より深く街を知るために、街全体を網羅するようなルートではなく、歩くエリアをあえて小区画に絞って実施した。当然ながら、1回の事業では見て歩けない地区が出るが、当初から継続事業を想定して、毎年、歩くエリアを変え、数年かけて街全体を網羅する方針で実施している。
    • その中でも、特に本年の特徴としては、初年度に見て回った「肴町・紺屋町エリア」を再度、ターゲットにしたことにある。このエリアは、近年、開発が進み新しい商業施設が増えた一方、老舗の酒蔵が移転するなど、さまざまな変化があったエリアである。街歩きは、その地域の地理という平面軸と、その街に根付いている歴史という時間軸をかけ合わせたような事業であるが、歴史という長い時間軸だけではなく、現在、変化し続ける街を比較してみて、短いスパンでの時間軸も体感することで、「生きた街」を知ることができた。
  2. 観光客ではなく地元の人のための事業
    • 行政や観光協会などで配布している街歩きマップは、主に観光客を対象にしたものが多い。一方で、本事業は、地元の人間が自分たちの街を知ることで、街の魅力と課題を知り、当事者意識を醸成することを目的としている。したがって、事業の際には、外部のツアーガイドなどに依頼することなく、事業の担当委員会メンバーがガイド役を務めることが特徴と言える。
    • 委員会メンバーは、そのエリアの地理的特性・歴史・おすすめの店舗などを、事前に1日かけて下見をした。必要な事項はさらに調査をした上で、当日、参加者に説明をする原稿と、配布するマップを作成した。さらに、毎年、歩くエリアを変えて実施することで、作成したマップが資料として蓄積しており、徐々に街全体のマップが出来上がることを目指している。
  3. 地域の特性を活かした事業
    • 2023年12月、盛岡市は、ニューヨーク・タイムズ紙で「2023年に行くべき52か所」の中で2番目に紹介された。その記事では、盛岡市は「歩いて回れる宝石的スポット」と高評価を受けている。本事業は、その記事に先駆ける形で2020年からスタートしているが、このような盛岡の特性を最大限に活かした事業である。
    • また、ニューヨーク・タイムズ紙の発表があった当時、驚きを持って受け止めた市民が多かったようだが、裏を返すと、盛岡市民が盛岡の魅力をよくわかっていなかったとも言える。
    • 本事業は、外部からこれほど評価される盛岡の価値を、盛岡市民に認知していただくための役割も果たせる可能性を秘めている。

本事業の成果

  1. 青年経済人としての視点を活かしたマップ進呈
    • 2023年4月に、前年に街歩きを実施した「材木町界隈」のマップを観光客向けに再編したものを盛岡市に進呈した(プレスリリース参照)。前述のニューヨーク・タイムズ紙でも、盛岡市は東京から新幹線で数時間で行けると紹介されたが、「新幹線、一本遅らせませんか?」のキャッチコピーを考案して、盛岡駅から1時間以内で回れるルートを紹介したマップは、盛岡YEGの青年経済人の視点ならではのものと評価をいただいた。
  2. 行政とのつながり強化
    • 前述のマップ進呈などを経て行政とのつながりもでき、昨年と今年は盛岡市職員の方々も本事業にご参加いただいている。一緒に街を歩きながら、行政目線、民間目線で、街について自然に双方向会話が生まれ、それは移動風会議さながら。本事業は、盛岡市の街づくり、街の活性化について、それぞれの立場を超え、現地を見ながら意見交換ができる事業へと進化している。
  3. 街歩きによって発案された提言内容
    • 盛岡YEGは、昨年、盛岡市に対して初めて政策提言を行った。3つの項目を提言したが、そのうち2項目については、本街歩き事業を通して発案された事項となっている。まだ提言内容の実現に向けての動きには至っていないが、提言をするためにまずは自分たちの街を知る、という本事業の当初の目的は、小さいながらも達成された形になっている。

本事業の実施初年度は、コロナ禍の真っ只中であったこともあり、参加者はメンバーのみの内部事業としてスタートした。その後、コロナ禍の収束にともない、メンバーの家族や行政機関の方など、少しずつ外部の方々に対象を広げていった。

今後は、さらに一般市民の皆さんに対象を広げていくことを目指している。そのためには、ガイドができるメンバーの人数を増やしていく必要があり、引き続き、事業を継続しながら、メンバーの育成に努めていきたい。

単会情報

単会名
盛岡YEG
主催者名
盛岡商工会議所青年部
事業ジャンル
地域貢献
事業名称
第5回 盛岡まち歩き事業「もりおか歩(ホ)っとさんぽ ~生まれ変わった 肴町・紺屋町編~」
開催日時
令和6年9月7日(土)
開催場所

盛岡市肴町~紺屋町界隈

詳細URL
https://www.facebook.com/moriokayeg/posts/pfbid0JNNyoYDno9CJi9pMVrVDMXZ7G6qvyeGondQ5hAuAWUgrTyBjPP3sUKRzrfGmugBKl
単会会員数
(事業開催時)
109人
事業参加会員数
35人
参加率
32%

担当委員会専用