令和6年1月1日に令和6年能登半島地震が発生し、多くの地域が被害に見舞われました。当会が属する輪島市においては、家屋の倒壊、道路の地割れ、水道・電気等のインフラ被害等、瞬く間に町の様子が一変しました。
わたしたちにも何かできないかとメンバーで話し合った4月、市内の現状は水道が復旧していない地域が多くを占め、給水や自衛隊の入浴支援に頼っている状態でした。全国各地より義援金や物資等暖かいご支援をいただいているものの、地域住民が疲弊しているように見受けられました。
そのような中、私たちが特に心を痛めていたのが地域の宝であるこどもたちの笑顔が減ってしまったことでした。
二次避難や市外への転居により多くのこどもたちが友人と離れ離れになってしまったことに加え、先述にもあるとおり市内の至る所で家屋の倒壊や道路の地割れがあり屋外で遊ぶこともままなりません。学校のグラウンドも同様に地割れや液状化があり、無事なところであっても自衛隊の皆様の活動拠点となっているため使用できず、また、体育館においても住民の避難所として利用されていました。遊べる場が減少してしまった地域のこどもたちに一日でも楽しい機会を提供したい、その気持ちから始まった事業です。
本事業で特筆したいのは飲食販売と振る舞い、アンケート調査です。
飲食販売と振る舞いは、当事業を実施することになったときにYEGの繋がりよりお申し出をいただき実現したものであります。南加賀飲食協議会による加賀飯、MELON LAB.様によるメロンパン、これらはこども限定のふるまいとさせていただきました。
飲食を大人も含めて皆様へのふるまいにするか、という点は議題として勿論あげられました。
全国から炊き出しや物資支援の機会が多くある現状、日常生活もままならない地域としては非常に有難く、生活の支えとなっています。
しかし、それが今後も生活の基盤となり当たり前という考えに至るのは経済循環の停滞を招く恐れがあることと、地域住民の自立に向けた歩みへの壁になるのでは、という考えが私たちにはありました。そして、金銭の取引によって対価を得る、という行為も当たり前のように皆がもつ欲求の一つであります。以上より、地域の経済循環の自立を促したい、かつての日常生活に少しでも近づきたいという思いから、大人の皆様には安くてもお金を頂戴する形にいたしました。
アンケートの実施につきましては、行政に届きにくいこどもたちと子育て世代の現場の声を届けるために実施しました。
わたしたちは、輪島の未来を担うのはこどもたちであり、彼らの声を拾うことが重要であると考えております。アンケートによると、活動できる場の減少や子育て世代の流出が主に意見として出ており、やはり教育環境が著しく低下した状況に不安を抱えている方が多くいるのが現状です。
これらの意見は輪島商工会議所をはじめとした市内経済団体で作成された「輪島市の産業復興ビジョン」に取り入れられ、本事業の模様についても記事として掲載されています。また、現在行政を中心に作成が進められている復興計画にも反映していただく予定です。
わたしたち輪島YEGの会員数は令和6年度4月時点で35名、人数が多いとは言えません。そんな中でわたしたちが主催者となり、地域住民に向けて大々的なイベントを開催できた理由、それはYEGの繋がりによるものでした。
北陸信越ブロックYEG、そして滑川YEG、下諏訪YEG、石川県連YEG、加賀YEG、小松YEG、白山YEG、七尾YEG、珠洲YEG、日本YEGより令和5年度ビジネス活性化委員会の皆様、およそ100名を超えるYEG関係者の皆様が当日ボランティアスタッフとしてご協力くださいました。
全員で胸にシールをつけてYEGスタッフの統一感を図り、地域の皆様の認知度向上にも一役買えたのではないかと実感しております。
また、YEGの行動力と結束力により、当会一同大きな刺激と感動がありました。経済人同士の交流はもとより、人と人との繋がりの強さを教えていただいた思いです。
ご協力いただいた多くのYEG関係者の皆様への感謝の気持ちも込めて、このYEG大賞に応募させていただきます。
単会情報
- 単会名
- 輪島YEG
- 主催者名
- 輪島商工会議所青年部
- 事業ジャンル
- 地域貢献
- 事業名称
- 輪島復興イベント「わじフェス」
- 開催日時
- 令和6年6月16日(日)
- 開催場所
輪島市マリンタウン
- 単会会員数
(事業開催時) - 35人
- 事業参加会員数
- 25人
- 参加率
- 71.42%